逮捕Q&A


Q 逮捕の種類を教えてください。

 逮捕には、①通常逮捕、②現行犯逮捕・準現行犯逮捕、③緊急逮捕の3種類があります。


Q ①通常逮捕とは、何でしょうか?

 ①通常逮捕とは、令状によって行う逮捕です。より詳しくは、一定階級以上の警察官や検察官等が逮捕状を請求し、裁判官が発行した逮捕令状に基づいて行われる逮捕のことです(憲法33条、刑事訴訟法199条1項)。

 逮捕令状は、犯罪をしたと疑う相当の理由(逮捕の理由)と逃亡・証拠隠滅の恐れ(逮捕の必要性)があると裁判官が認めた場合に限り発行されます。


Q ②現行犯逮捕・準現行犯逮捕とは、何でしょうか?

 ②現行犯逮捕とは、犯行中や犯行直後の犯人を無令状で逮捕することをいい(刑事訴訟法212条1項)、準現行犯とは、犯人として追われている、犯罪に使った凶器を所持している、誰何されて逃げる場合等、犯行後間がないと明らかに認められる犯人を無令状で逮捕することを言います(同条2項)。

 私人であっても行うことができます(刑事訴訟法213条)が、逮捕後はすぐ警察官等に犯人を引き渡す必要があります(刑事訴訟法214条)。


Q ③緊急逮捕とは、何でしょうか?

 ③緊急逮捕とは、死刑・無期懲役・長期3年以上の懲役・禁固にあたる罪について、罪を犯したと疑う十分な理由があり、急を要し逮捕の必要性もある場合に、令状なく被疑者を逮捕することをいいます(刑事訴訟法210条)。

 ただし、緊急逮捕をした後は、ただちに裁判所に逮捕令状を請求する必要があります。


Q 逮捕されるとどうなりますか?

 逮捕されると、48時間以内に検察官へ「送致」されます。

 検察官はその後24時間以内に裁判官に勾留請求するか否かを決断します。

 検察官がこれ以上身体拘束をする必要がないと考えれば、「釈放」します。

 これに対して、検察官が、身体拘束をする必要があると判断した場合には勾留請求をし、これが認められると最長20日間勾留される可能性があります。


Q 逮捕されても釈放されることはありますか?

 逮捕されたとしても、検察官がその後に続く勾留を請求をしないとき、又は勾留請求をしたものの、それが認められなかった場合には、逮捕されたとしても釈放されることになります。

 このような場合には、勾留によって身柄を拘束されることなく捜査が進められ(このような事件は在宅事件をいいます)、警察や検察から出頭を求められ、取調べを受けます。

 窃盗(万引きなど)、痴漢、盗撮などの犯罪であり、家族や定職があるなどの事情により逃亡や証拠隠滅の可能性が高くない事案は、在宅事件になりやすい傾向があります。